この記事のターゲット

職務経歴書の自己PR作成が難しいと感じている方

この記事の要約

職務経歴書は履歴書と違って決まったフォーマットがないので、どのように書けば良いか分からないという方も多いと思います。職務経歴書は①経歴概略、②職務経歴、③保有資格、④自己PRの4つのセクションからなり、今まで経験してきた業務やそれによって身に付けたスキル・資格、仕事を経験して分かった自分の強みなどを詳しく書いていきます。自己PRは①自分は何を重視して仕事に取り組んでいたのか、②以前働いていた施設で自分が何を感じ、学んだのか、③今後経験したことをどう活かしていきたいかという3つのポイントを踏まえます。自分の強みを最大限アピールできる強力な応募書類となりますので、キャリアの棚卸しや応募先企業とのマッチングポイントの洗い出しなど、前準備を丁寧に行った上で作成に取り掛かりましょう。

職務経歴書は決まったフォーマットが無く、自由に書いて構いませんが、逆にそのせいでどう書けばいいのかわからない方も多いと思います。

そこでこの記事では、職務経歴書の具体的な書き方と例文について詳しく解説します。

職務経歴書とはどんな書類なの?

職務経歴書とは、履歴書の職歴欄だけでは伝わらないその人の経験やスキル、実績、意欲をより詳しく採用担当者に伝えるための書類です。

採用担当者にとってこの職務経歴書は「自社にマッチした人材かどうか」「自社で即戦力となりえるか」を判断する大きな材料になります。

逆に応募する側からすれば、職務経歴書は自分の持っている実績や経験、スキルをより強くアピールできるため、応募の際には強力な武器になります。

現在では履歴書と一緒に職務経歴書の提出を求める企業が多いので、就職活動や転職活動の際には必須の書類です。

職務経歴書の書き方を項目別に確認しよう

職務経歴書に「必ずこう書くべき」といったフォーマットはありませんが、抑えるべきポイント、書くべき項目はありますので、ここで一つずつ確認していきましょう。

経歴概略

経歴概略は職務経歴書の内容を簡潔にまとめた「あらすじ」のようなものです。

採用担当者によってはこの経歴概略を見て、続く職務経歴をしっかり読むかどうか判断する方もいます。そのため経歴概略は要点を押さえ、それでいて読みやすく簡潔にまとめなくてはいけません。例文を確認してみましょう。

大学卒業後、××法人△△に就職し、〇〇年から〇〇年までの〇年間、要介護3から要介護5の方まで約60名が入所されている特別養護老人ホームにて勤務。

入浴介助、食事介助、移乗介助等の一般的な身体介護を行ってきました。

認知症・ターミナルケアの経験あり。

現在では介護福祉士の資格取得を目指して勉強中です。

職務経歴

職務経歴書のメインとなる項目で、今まで働いてきた職場や実績を詳しく記載します。

記載する内容は以下の10項目です。

  1. 在職期間
  2. 勤務先法人(正式名称)
  3. 働いた介護施設の正式名称・入居者数
  4. 部署名
  5. 雇用形態
  6. 業務内容
  7. 勤務職種
  8. 職位・役職
  9. 実績
  10. 介護施設以外での勤務先企業・実績

部署や職位などは、もし無ければ省略してかまいません。

ただし、実績はどんな小さなことでもできる限り記載するようにしてください。

書き方については「編年式」「逆編年式」「キャリア式」の3通りがありますので、自分のキャリアに適した書き方で書いていきましょう。

編年形式の場合

編年式は、古い順に直近の勤務までを書いていく、履歴書の職歴のような最も一般的な書式です。

履歴書と同じ書式なので、採用担当者も読みやすく、キャリアや経験がスムーズに伝わりやすいという特徴があります。

社会人経験の浅い方や、介護業界経験が複数ある方が順調に実績やステップアップを重ねてきたことを強調したい場合に適しています。

逆編年式の場合

逆編年式は、編年式の真逆で、直近の勤務から古い順に遡っていく書き方です。

編年式と違い直近の職場から書いていくので、直近の経験が大きく強調されやすいという特徴があります。

社会人経験が長い方、特に直近で介護経験が多数あり、直近の経験を強く推したい方におすすめの書き方です。

キャリア式の場合

キャリア式は時系列にこだわらず、業務や職種ごとにまとめて記載する書式です。

時系列で長々と書かずに済むため、経験やキャリアを綺麗にわかりやすく伝えられるという特徴があります。

実績を出した職種が多数あり、各職種での実績を強調したい方におすすめです。

編年式、逆編年式、キャリア式、いずれの書式を選んでも構いませんが、先ほどの10項目を含めるようにしてください。

保有資格

持っている資格と、資格を取得した年月日を書く項目で、基本は取得した順から書いていきます。現在勉強中などで取得を目指している資格があればそれも記載します。

基本的に介護に関係あるもの、ないものすべて書いて構いませんが、資格が多い場合は介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員など介護に関連する資格を優先的に記載しましょう。

なお、資格名を書く際は略称ではなく、必ず「正式名称」で記載してください。

例えば「ケアマネージャー」は正式名称の「介護支援専門員」と書きます。

昔に資格を取った方は、法改正で名称が変わっている可能性もあるので、資格を書く際は必ず現在の正式名称を確認しましょう。

【例】

資格名 資格取得日
介護職員初任者研修 2019年6月
実務者研修 2020年3月
手話通訳士 取得中

 

自己PR

自己PRは今まで事実を記載するだけだった項目と違い、自分の経験や熱意を自分の言葉で書ける項目です。

採用担当者に仕事に対する熱意が伝わるよう、自分の経験を基にオリジナリティを発揮して文章を書くと好印象です。

自己PRの例文については次の項目を参考にしてください。

受かる自己PRフォーマット

自己PRは、あくまでも自分の言葉で文章を作成する項目なので決まったフォーマットはなく、自由に書くことができます。

ただ、それだと何を書いて良いかわからないという方も多いと思いますので、以下のポイントを盛り込んで書くと綺麗にまとまります。

  1. 自分は何を重視して仕事に取り組んでいたのか
  2. 以前働いていた施設で自分が何を感じ、学んだのか
  3. 今後経験したことをどう活かしていきたいか

このほかにも介護の仕事が未経験なら、介護業界に携わろうと思った理由や、今回企業に応募した理由などを書くのもおすすめです。

ただし、いくらアピールをする項目と言っても、長いと読むほうも負担を感じてしまいますので、大体250文字~300文字前後にまとめるのが良いでしょう。

この限られた文字数の中で、自分の考え方や仕事に対する意欲を最大限伝えてください。

自己PR例文3選

経験がある方の自己PR例文

デイサービスで4年間勤務し、ご利用者様の食事、排泄、入浴介助を経験していました。

特養は突然体調を崩される利用者様も多く、いつ何があるかわからない施設でしたので、常に利用者様の顔色や呼吸などに注意を配り、体調の変化にいち早く気づけるよう緊張感を持って働いてきました。

また、実際そのような現場に立ち会うこともあり、緊急時の対応力も培われたと思っております。

もちろん張り詰めるだけではなく、レクリエーションなどのイベント時には利用者様が楽しい時間を過ごせるよう、工夫と笑顔を忘れないようにしています。

貴社ではこれまでの経験を活かし、できるだけ早く利用者様に信頼してもらえるような介護を心がけたいと考えております。

経験、資格ありの方の自己PR例文

介護業界には約10年携わっており、特養、グループホーム、有料老人ホームなど様々な施設での経験があります。

現場では笑顔を絶やさず、常に寄り添い、利用者様が安心して利用できるスタッフになれるよう心がけてきました。

また、直接ご利用者様と関わる現場を経験しているうちに、資格があればより多くの利用者様のニーズに応えられると感じたため、介護支援専門員の資格も取得いたしました。

親しみやすい現場スタッフを目指すとともに、間接的にも利用者を支援できるオールマイティなスタッフを目指しています。

貴社では経験と知識、資格を活かし、より多くの利用者様のお役に立ち、また御社の戦力となれるよう尽力させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

介護業界未経験の方の自己PR

大学卒業後、一般企業に就職いたしましたが、祖母の認知症をきっかけに介護業界に興味を持ちました。

それまで介護というものはどこかテレビや雑誌の中の話だと感じておりましたが、自分が実際に介護をする側になり、初めて介護の大変さ、大切さを感じました。

祖母の世話はしておりましたが、介護業界自体は未経験ですので、経験を積みながらまずは初任者研修の取得を目指します。

いずれは自分が祖母にしたように、また、介護スタッフが祖母にしてくれたように、優しく丁寧な介護ができるスタッフになりたいと思っています。

まとめ

職務経歴書は履歴書のような決まったテンプレートが無く、初めて書く方は書き方に迷う書類です。

ですが、自分の経験や能力、人柄が伝われば書き方そのものにそれほどこだわる必要はありません。

今回紹介した内容やフォーマット、例文もあくまでも書き方の一つにすぎません。

この記事を参考に、ぜひ自分の価値が伝わる、自分らしい職務経歴書を作成してみてください。